SBI証券で貸株にトライしてみる

貸株


貸株ってご存じですか?
書いて時の如く、自身が所有している株式を誰かに貸すことを貸株と言います。
お金を貸すのと同様に貸し出す株にも金利をつけて貸しています。
私がよく使っているSBI証券でも貸株サービスをやっていますが、それについて今回挑戦してみました。

ご注意

SBI証券の貸株サービスに挑戦するにあたっていろいろ理解・納得するために自分なりにいろいろ調べて右往左往しました。
なるべく正確に調べたつもりではありますが、記載が間違っていたり認識が誤っている場合があります。
税金の話とかも出てくるので詳しくはお近くの税務署へお尋ねください。
あくまで参考程度に(* ̄- ̄)ふ~ん程度にしておいてください。
最終確認は自分でやろう!!!という逃げ。

いろんな疑問とかを解決してみる

貸して誰が借りるの?

機関投資家が空売りとかをする時に借りるために貸株があるらしい。
私も空売りをやったことが昔ありますが誰かが貸してくれた株だったんですね。

投資者保護基金の対象にはならない

つまり、SBI証券が倒産すると貸していた株はパーになるということ。

金利はどれくらい?


SBI証券の場合は0.1%が最低。SBI証券の場合は金利の上限は無いらしい。
なお、執筆時で最大12%。
12%と言うとすごい高い金利になりますが、金利が高いということは株価の乱高下が激しく空売りをみんなやるということでもある。
つまり、一般投資家はほぼ持ってないような銘柄が多いということ。

貸すとどうなるの?

株主名簿の名義が自分から証券会社に移ります。
そのため、長期保有等の特典がある場合は受けられない場合がある。
銘柄によるが、1000株中900株を貸し出し100株分は長期保有優待を受けるといったこともできる。

信用取引をしていると注意が必要?

信用取引の担保となるのが現物の株式です。
つまり、今持っている株を貸株にすると担保がなくなるので信用余力が減ることになります。
信用取引をしている最中だと担保不足とかになるので注意が必要です。

貸した株が返って来ない場合もあり

株を貸した先が破産した場合、担保金を使ってSBI証券が株を調達してきてくれます。
ただし、万が一株が調達できなかった場合は遅延損害金としてお金として返却されます。

優待や配当金はどうなるの?

株主優待や配当金の権利確定日がポイント。

確定日前に返してもらう

  • 当たり前だが返してもらうときの数日に金利はつかない
  • 優待や配当金は普通にもらえる

確定日も貸しておく

  • ボーナス金利が付く
  • 配当金はSBI証券がもらっちゃう。その代わりに配当金から源泉徴収税額を差し引いた「配当金相当額」というものをもらえる。

配当金と配当金相当額の違い

証券会社がもらった配当金は配当金相当額という扱いになります。
ここは地味に大事なポイントになります。

税金 所得税とか 譲渡損との通算 配当控除
配当金 配当所得 引かれてる できる 対象
配当金相当額 雑所得か事業所得 引かれてる できない 対象外

そう、それは税金の区分。配当金は配当所得という扱いに対して配当金相当額は雑所得(事業所得)となるのです。
普通に給料をもらって仕事をしている人で特定口座の場合だと20万円以上の雑収入があると確定申告が必要になってしまうのです。
気づいた人もいるかもしれませんが、配当金相当額で所得税を引かれ確定申告でさらに所得税が引かれてしまうのです。

つまりどういうことか

設定は以下の通り。

  • わんわん株(時価1,000万円で税引き前の配当金は年1回の30万円で株価は1年通して変わらず)
  • 特定口座(源泉徴収あり)で配当金を受け取る
  • 貸株金利年利0.1%
  • 所得税15% 住民税5%
  • 雑所得にかかる税率は所得税5%、住民税5%
  • 配当金の税金は源泉徴収のみで完了させる
  • 配当金相当額は配当金から所得税源泉徴収税率15%を控除した残額とする

これらの条件で、ケーススタディーを見てみよう。

貸株サービスを使わない場合
  • 配当金:300,000円
  • 源泉徴収税率(所得・住民税):20%(300,000円×20%=60,000円の税金)
  • 手取り額:300,000円ー60,000円=240,000円
貸株サービスを使った場合
  • 配当金相当額:300,000円ー(300,000円×15%)=255,000円
  • 貸株金利:10,000,000円×0.1%=10,000円
  • 税引き前手取り額:255,000円+10,000円=265,000円
  • 確定申告(所得・住民税):(255,000円+10,000円)×(5%+5%)=26,500円
  • 手取り額:255,000円ー79,500円=238,500円

お判りいただけただろうか。
貸株サービスを使うことにより、金利1万円はもらえますが確定申告の手間が加わりさらに1,500円ほど貸株サービスを使わないときより損をしているのです。
なお、確定申告時の雑所得にかかる所得税は金額によって変わってきます。

損するならやる意味ないじゃーん

と思いますが、そうでもありません。
特例として「給与所得や退職所得以外の所得が20万円以下」であれば確定申告の必要はありません。
上記のケーススタディーの場合であれば確定申告で損しますがそもそもの雑収入が1万円なので20万円以下ということで特例として確定申告の必要が無いのです。
あれですね。税務署としても少額で来られてもめんどくさいんでしょうね。

優待権利自動取得サービスもある

権利確定日に貸株を返してもらえれば「貸株サービスを使わない場合」つまり配当金として受け取りをすることが出来るためそれをうまく使うといい感じになるということ。

ただし、東洋経済新報社から発表される株主優待情報を基に株式を返却されるため情報が無かったり確定日のタイミングによりうまくいかないらしいので注意が必要らしい。

結局のところ

メリット

  1. 金利がもらえる
  2. 優待権利自動取得サービスを使えば配当所得として配当金をもらえる

ぐらいかな?もちろん金利が20万円を超えると確定申告が必要になる。

デメリット

  1. 確定申告がいるかもしれない
  2. 証券会社が倒産すると貸した株が無くなる
  3. 優待や長期保有特典が受けられない

でしょうか。
優待や配当金に関しては「優待権利自動取得サービス」を使えばうまくいく可能性があります。
(東洋経済新報社まとめなので絶対ではない)
長期保有に関しては保有してないとダメなんで貸株はあきらめるしかありません。

なので、ケーススタディーを例に挙げると貸株をやるうえで考えなければいけないのは

  1. 金利10,000円をもらうために時価1,000万円を失うかもしれないというのを許容できるか
    (証券会社が倒産・貸し先が破産等)
  2. 配当金にするか配当金相当額にするか。場合によっては確定申告が必要となる。

だけでしょうか!まぁ、SBI証券が倒産するのか!?ということはほぼほぼ考えられないことではありますが無いことではありません。

ということで、いろいろ調べてみたうえで試しに一部の株で貸株のほうはやってみたいと思います。